スリッページ(滑り)の罠
スプレッド(買いと売りの価格差)が狭くても、いざ発注をしようとしたら約定の価格が滑ってしまえば、結局のところ実質スプレッドは見た目より広いということになってしまいます。
[box title=”例えば”]
100.00円で購入しようとしたのに、約定が滑って、100.02円になった
100.10円で売ろうとしたのに、約定が滑って、100.08円になったとすると、
本来の獲得利益が0.10円(10 pips)だったところ、実際の利益が0.06円(6 pips)になるという潜在的な損失を被ります。
この、滑った分(4pips)がブローカーの手数料になっている可能性があり、表面上スプレッドが狭いように見せかけていても、見えないところで搾取されているかもしれないということです。
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WSFRのBSMで滑り判定が可能
FXのEAの歴史の中で、金字塔作品ともいえるEAの一つが、WSFR (WallStreet Forex Robot)というものがあります。
このEAのインフォパネルではBSM(Broker Spy Module)というものがあり、ブローカーの真の性能を判定することができます。
これ自体を単体で販売できるのでは?というほどのなかなか意欲的な機能であり、使わない手はありません。
早速具体的画像をもとに、見ていきましょう。
XMの場合
EUR/USDです。(XM ZERO口座)
例えば0(0)とある場合、左の数字が、現在のオープンポジションの情報、右が累計の記録となっています。
したがって見るべきは()内の数字です。主要なものを抽出しましょう。
- 試行回数:10
- 平均エントリースリッページ(-0.09)
- 平均イグジットスリッページ(0.01)
→トータル平均:-0.08
マイナススリッページということは、有利な方向に約定しているということになります。
Tradeviewの場合
こちらもEUR/USDです。(TV Standard口座)
- 試行回数:19
- 平均エントリースリッページ(-0.05)
- 平均イグジットスリッページ(-0.01)
→トータル平均:-0.06
誤差レベルだがどちらも優秀
XMのスリッページの実力も、なかなか高いですね。
TVは試行回数が約2倍ですが、それでも安定した結果を出しています。
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スプレッドに関する補足
画面をまじまじ見られた方は、「おやっ?」と思われたかもしれません。
- XM(ZERO)の平均スプレッド:0.69
- TV(standard)の平均スプレッド:2.23
XM ZEROの場合手数料が10万ドルにつき10ドルかかります。
手数料概念が一般の方にはわからないように設計されているのですが、pips換算で約1.3pipsとなり、合計すると1.99pipsが実質スプレッドです。二者の比較ではXMの方がトータルをとっても有利には見えます(ただしTVにはさらに手数料が安いILC口座があります)
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結論:決着はつかず
ブローカーの滑り等の性能に関しては決着はつきませんでした。
したがって、スリッページなどを条件にしてブローカーを選ばれる場合は、XMもTVも等しく、安心できると考えていいでしょう。
それ以外の要素(リンク先関連記事)などにも注意を払いながら選択されるのが望ましいと思われます。